月刊『日本橋』2013年10月号 No.414

特集
■日本橋べったら市

読み物
どうなってるの? 江戸のこと日本橋のこと 211/M・シェレンバウム
シンボーの日々是好日 164/南 伸坊
江戸平成川柳歳時記《秋の虫》/松本充代
粋人有情《心の絆》/平野啓子
今一度逢い度候(九十一)大河内昭爾//岩満重孝
其角堂コレクション《漆芸の名工が描く往昔の日本倍s》
日本橋食べもの歌留多(7)/向笠千恵子
気ままスケッチ/小川幸治
江戸っ子亜土ちゃんの日本橋ブギウギ(5)

ルポ
明治の日本橋区 今月の事件簿《十月の巻》

人とお店
常連さん《四川飯店 日本橋》
新お徒歩日本橋繁盛記 130/一色九月
逸品《大勝軒》
人物語235《田中三郎》

インフォメーション
豊年萬福塾
第24回築地市場やさいくだものツアー
にほんばし江戸東京野菜プロジェクト
お江戸日本橋MAP
三越・高島屋
いらっしゃ~いのコーナー
誌上市場
10月のGALLERY & THEATER
かわらばん
日本橋らいんあっぷ
誌上市場
第16回川柳大会

エトセトラ
今月のプレゼント
10月の西洋占星術/ルネ・ヴァン・ダール研究所
旧暦ごよみ/暦ことば
こちら編集部・おたより
目次と今月の表紙/悳俊彦

今月の広告
学書院/人陽鍼灸リバース/東京薬事協会/中央大通会

表紙の浮世絵
一勇斎国芳「蚕家織子之図」大判
天保後期(1830〜44) 佐野喜版

連載 日本橋食べもの歌留多
第7回

十月の声を聞くと十九、二十日のべったら市が待ち遠しい。日本橋本町の宝田恵比寿神社の恵比寿講の縁日で、隣接する大伝馬町界隈はべったらを求める客でにぎわう。神輿も出る。わたしは渋谷に住んでずいぶん経つが、この日ばかりは、用事を投げ出して日本橋へ駆け出してしまう。私の祭り好きを知っている友人たちも、どうしてそこまで執着するのかといぶかしがっている。
べったら市はマイスペシャル市なのだ。上品な甘さで、しなやかなのにしゃきしゃきしたべった漬けは……

江戸っ子亜土ちゃんの日本橋ブギウギ 5

♪都電がトテモ好き!!

私には、一人の妹と、一人の弟がいます。弟の名前は、太良と書いて、タロオと呼びます。近所の子はワザとタラウ君と呼びますが、何故か私に一番なついています。母親の説によると、
「オツムの中身のアンバイがね、アンタが一番太良と似てるからじゃないの?」
と、そういう見解を持っています。
中学二年生の時、何故か突然……

人物語 235

享保3年(1718)創業、刷毛専門店の江戸屋。8代将軍吉宗の時代に将軍お抱えの“刷毛師”に命じられ、江戸屋の屋号は将軍家から与えられた。明治以降はブラシも製造し、ヘアブラシ、洋服ブラシ、靴磨き用ブラシなどをはじめ、集積回路に使う部品の洗浄用など工業用ブラシも多く手掛けている。その中で、東京都伝統工芸品に指定されている“江戸刷毛”を作り続けているのは、昭和6年(1931)生まれ、83歳の田中三郎さん……

逸品

“オウメン”とよばれる大勝軒の五目そば。卵でつないだコシのあるストレート麺に、色とりどりの具材がたっぷり。人参、白菜、チンゲン菜に……