月刊『日本橋』2014年8月号 No.424

VIDRO & GIYAMAN
江戸ガラス〜日本橋にただよう異国情緒〜

江戸後期から明治前期までの数十年のあいだしかつくられなかった和製ギヤマン—手彫りの切子。オランダとの貿易によってもたらされた西洋ガラスの模倣にとどまらず、独自に成熟させたその豪奢かつ繊細な姿は、人々の憧憬の的であった。日本橋室町に店を構える古美術商・海老屋美術店の江戸ガラスのコレクション、神戸市立博物館学芸員の岡泰正さんのエッセイとともに、日本のガラスの魅力に触れる—。
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【今月の表紙】
一勇斎国芳
「百品噺(ひゃくいろばなし) ちゅうぶらりんのはなし」
大判 弘化四年〜嘉永五年(1847〜52)頃 沢屋幸吉版

【8月号連載】逸品
そよいち メンチカツ

人形町は甘酒横丁近くの路地裏にあるそよいち。明るい店内は清潔感に溢れ、カウンターの向こうでは、女将の石井明美さんが細腕で鉄のフライパンを振り、手際よく料理を仕上げている。忙しいランチタイムも、妹の有子さんをはじめとする長年のスタッフとのさすがのコンビネーションで、次々と料理が運ばれる。看板メニューは国産牛のランプとイチボを使ったビーフカツ。肉厚ロースのポークカツやポークソテーも人気だが、そうした看板料理に使う上質な肉の切り落としで作ったのが、写真のメンチカツなのである。「もともとはまかない料理でしたが、美味しかったのでメニューに。難しいことは何もしていません。ただ、真心込めて作るだけ」と笑顔の女将さん。細かいパン粉を使った薄めの衣は繊細な食感で、一口食べれば肉の旨味と玉ねぎの甘みがジュワッと広がる(続きは本誌で!)

【そよいち】人形町1‐9‐6 電話3666‐9993
11時〜14時30分 17時30分〜20時、日曜・第1月曜休
《写真》メンチカツ1000円(限定10食)※価格は全て税込

http://sotokichi.web.fc2.com/

【8月号連載】人物語 245回 永島敏行さん

新派初参加。役者は“伝える”仕事—。

三越劇場・八月納涼新派公演は、夏の下町情緒を背景に男女の哀感を描いた久保田万太郎の名作『蛍』と、歌舞伎でもお馴染み、騙し騙され合いの傑作喜劇『ばなし』。〝静と動〟趣向の異なる豪華二本立ての舞台に、新派初参加で挑むのが俳優の永島敏行さんだ。『蛍』では酒で身を持ち崩す職人の重一、『狐狸狐狸ばなし』では生臭坊主の重善の二役を演じる。ちなみに、永島さんの新派参加は、親交の深かった故・中村勘三郎さんの希望だったのだそう。「お姉さんの波乃久里子さんとの共演も叶って嬉しい限り。先入観を持たずに真っ白な気持ちで臨んで、昭和を感じられるいい芝居を作り上げたいです」。

1956年、千葉県千葉市生まれ。生家は海の近くの旅館で、美しい東京湾と豊かな畑に囲まれて育った。「おやつはワタリガニやシャコ……(続きは本誌で!)

【8月号掲載】にほんばし江戸東京野菜プロジェクト第6弾 栽培日記

寺島ナスと内藤トウガラシの栽培記録。寺島ナスの収穫、そして内藤トウガラシの開花&結実の知らせが届いています!
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