月刊『日本橋』 2023年10月号 No.534

特集 日本橋・京橋まつり五〇年の歩み

来る10月29日(日)、日本橋と京橋を中央通りでつなぐ一大イベント〈日本橋・京橋まつり〉が、コロナ禍を乗り越え、4年ぶりに開催! 満を持して、記念すべき第50回が盛大に行われます。

中央通りの日本橋・京橋間を全面通行止めにして実施するイベントは日本橋・京橋まつりのみ。およそ50年にわたり、「日京まつり」とも呼ばれ愛されてきました。本特集では、その歩みをご紹介。また、今回のパレードの見どころやその他の出店情報もご紹介します。

ぜひ10月最後の日曜日は、日本橋・京橋まつりへ!

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●ぜひ本誌をお手に取ってご覧ください!

【今月の表紙】
林家木久扇作「目黒のさんま」2023年制作

【10月号連載】人物語 第355回 立川小春志さん

 

落語立川流に初めて女性真打が誕生した。小柄な風采(ふうさい)から放たれるのは、威勢のいいべらんめえ口調。老若男女を鍛えられた低音で生き生きと演じ、高座から広がっていくのは、江戸っ子たちの賑やかな日常——。
「これが参ったことに私は女性なので、見た目的に、骨格的に、落語の解釈的に、女性と男性で生物学的な差はあります。私は古典落語というものを扱っていますけれども、いかにそれが時代に受け入れられて、あるいは〝小春志の落語〟がいい落語だと思ってくれる時代を作るか、だと思うので、そのためには何をしようかなと思っているところです」と語るのが、立川小春志さん、その人である。……(続きは本誌で!)

【10月号連載】京粕漬 魚久 あじみせ定食

古くから日本人に親しまれてきた伝統食の粕漬け。奈良時代または平安時代に生まれたと諸説あるが、その芳香で豊かな味わいはひとたび見つけられると、時代を越えて生き続ける。その最たるものを味わえるのが、京粕漬魚久の食事処〈あじみせ〉だ。続きは本誌で!)

 

【10月号連載】シンボーの日々是好日 第284回

 「チッ、味が薄味!」

とツマが言った。買ってきた黄金桃っていう桃を切って一切れ食べてみたところだ。

私も食べてみると、たしかにちょっと桃としては味が薄くてハッキリしない。ふとツマを見ると、相当ガックリきている。

そんなにガックリするほどのことでもあるまいと思うので、私は、二切れ目を食べながら、声をかけてみた。

「ずいぶんガックリきたネ」

すぐに返事も返ってこない。

どういう気持ちなんだろう。

「ガッカリさせてしまった」

と思っているのだろうか?

三切れ目を食べながら考えた。黄金桃は、オレンジがかった黄色い果肉で、まるで枇杷のように見える。

(続きは本誌で!)