月刊『日本橋』 2016年8月号 No.448

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特集

 東京湾と生きる〜資源枯渇に立ち向かう漁師たち〜

豊穣な海の恵みを味わえるのは東京湾を愛する漁師がいるからこそ。
今日も江戸前のネタを追い求め、風を受けて船を進める漁師たち。
その姿は頼もしく、そして東京湾の青空のように清々しい。

 

●特集はまだまだ続きます。ぜひ本誌を手に取ってご覧ください!

【今月の表紙】

木曽街道六十九次之内 板橋 犬塚信乃 蟇六 左母次郎 土太朗
大判 嘉永5年(1852)住吉屋政五郎版 

【8月号連載】人物語 第269回 野村万作さん

〝観客の想像力に訴える〟というのが私たちの芸の特筆すべきところだと思います——。狂言師で人間国宝の野村万作さんは、今年9月1日、中央区民カレッジ10周年記念の舞台に立つ。このような門戸の広い場で演じることには意味がある。
1931年、代々続く狂言師の家系に生まれ、3歳で初舞台を踏んだ。祖父・故初世野村萬斎と父・故六世野村万蔵に師事し、幼い頃から当然のように厳しい稽古を付けられていたが、思春期には反発もあった。

(続きは本誌でお楽しみください!)

【8月号連載】マルシェ オ ポワソン

フランスの港町マルセイユの漁師料理として生まれ、今や世界三大スープの一つとされるブイヤベース。新鮮な魚介類が水揚げされる場所にこそ、旨味たっぷりのブイヤベースを味わえる店がある。ここ魚河岸発祥の地・日本橋に店を構え、「魚市場」を意味するマルシェ オ ポワソンもその一つ。
キッチンを覗くと、朝に築地から仕入れた新鮮なホウボウ、カサゴ、コチ、ヒラメの高級魚が、鍋の中で2時間かけて姿形がなくなるまで丹念に炒められている。「雑味も旨味に変えていくんです」と、村上シェフの手によって、エラや鱗に至る苦味まで、魚すべての味わいが鍋の中に凝縮されていく。その横では……(続きは本誌で!)

【8月号連載】シンボーの日々是好日 第198回 南伸坊

「くろちゃんをさァ、おどかしたいんだけど……」
と朝メシを食べながらツマが言った。ツマはくろちゃんと遊ぶのがメシより好きそうなのだが、くろちゃんが思うようにノンビリなでさせてくれないとか、ときどき手加減なしに咬むのとかに不満があるらしい。
咬んで「あ、ちょっと咬みすぎ?!」っていうような気くばりがないし、かまわず遊ぼう遊ぼうと要求だけどんどん繰り出す。そのくせ内弁慶で、ベランダにカラスが来たら、びびりまくりで、カラキシ意気地がないそうだ。どうするのか聞いてみると、
「くろちゃんと同じくらいの大きさの黒猫なんだけどね」
ゴム製で、目には夜光塗料がぬってある。ものすごく顔がコワイ、相当程度本物っぽい置物見つけた。それ買ってきたら、……(続きは本誌で!)