月刊『日本橋』 2015年10月号 No.438

特集  江戸の妖怪

 妖怪といえば『妖怪ウォッチ』それとも『ゲゲゲの鬼太郎』か。江戸時代の人に聞けば「いやいや、やはり『百鬼夜行絵巻』であろう」と答えるはず。なぜなら江戸時代に第一波の妖怪ブーム巻き起こり、数々のユーモラスな妖怪たちが絵師によって描かれたからである。つまり現代に伝わる妖怪の多くが、江戸時代に先祖を持つということなのか!?そのルーツを探るべく、妖怪の成り立ちをはじめ、当時の絵師たちが描いた絵巻や浮世絵の中から、今でも人々を惹き付ける妖怪の魅力と謎に迫る——。

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妖怪の成り立ち
6世紀に入り中国から日本に仏教が伝わると、〈地獄〉という概念が日本人に生まれた。以前の日本人の宗教は、全てのものに神が宿り全てのものを崇める神道であったため、悪い事をしたら地獄に堕ちて鬼に食われるという仏教の教えはさぞ恐ろしかったことだろう。その恐怖のイメージは、平安時代から鎌倉時代にかけて「地獄草紙」「餓鬼草紙」などの絵巻物で図像化された……(つづきは本誌で!)

●特集はまだまだ続きます。ぜひ本誌を手に取ってご覧ください!

【今月の表紙】
木曽街道 六十九次之内  紅葉狩
大判 嘉永五年(1852) 加賀安版

 

【10月号連載】人物語 第259回 根岸雅英さん

 今でも古い街並が所々に残る神保町。その路地にあるホワイトカレーで有名なお店「チャボ」の扉を開けると、役者やお笑い芸人、ダンサーなど、若いアーティストが店員として働く姿が目に留まる。店長の根岸雅英さん自身も、有限会社神田時来組に所属する役者であり、夢を持った若者たちのよき理解者としてみんなに慕われている。
生まれは葛飾柴又。通った幼稚園は帝釈天付属のルンビニー幼稚園。園庭代わりの帝釈天の境内では、映画「男はつらいよ」の撮影が時には年間2本のペースで行われ、役者やロケ隊が年中行き交う町だった。渥美清に触発されたわけではないが、大学進学の道を当然のように選ぶことに違和感を持ち
 ……(続きは本誌で!)

【10月号連載】逸品 三重テラス 渡利かきのオリーブオイル漬け・醤油漬け

 三重県は、高級食材の宝庫だ。松阪牛に伊勢えび、あわび、はまぐり、そしてこれから旬を迎えるのが、牡蠣。的矢かきの名が広く知られているが、三重にはもうひとつ、“うまい牡蠣”がある。それが渡利かきだ。 三重県屈指の漁師町でもある紀北町、渡利かきが養殖される白石湖は、大台山系からのミネラルと、熊野灘からの海の恵みが出会う汽水域。淡水の中で長時間さらされる厳しい環境で育つ渡利かきは、グリコーゲンや旨味成分を蓄える性質がある。漁場が小さく、そのほとんどは地元で消費されるため、流通量の少なさから“幻の牡蠣”ともよばれている。今回紹介したいのは、その幻の牡蠣を使った〈オリーブオイル漬け〉と〈醤油漬け〉……(続きは本誌で!)

【10月号連載】シンボーの日々是好日188 南伸坊

シンボーの日々是好日178回に「和風ハロウィン・百鬼夜行列」という作文を書きました。
かれこれ一年前。ハロウィンもいいけど、なんで日本のオバケにみんななろうとしないんだあ! という、おじいさんの主張でした。
下北沢とか渋谷を歩いていて、西洋おばけに何度か遭遇したのだった。電車のなかで、ドラキュラ伯爵にも会ったのだ。
最初は、おお近頃の若者、やるなあ、いいぞいいぞ、と思ったんだけど、なんだかんだ言って、アメリカのまねだなあ。と思ったらちょっとガッカリしてしまった。
戦争に負けてからこっち、ずっとこんな具合だなァ。ていうか黒船がきてからこっちかな。なんでも新しいことは外国渡り。
そこいくと江戸時代はスゴイぞ。浮世絵も絵草紙も、外国に渡ったらあっちの若者が「アッ」と驚いた。モネもマネも、ゴッホもゴーギャンも、日本の絵が、自分達の絵とは比べもんになんないくらい、やりたい放題楽しそうなのに驚いた……(続きは本誌で!)